ダイエット,  日常

やめて良かった

さて、先日のブログでお伝えした通り、現在私は入院中である。

言わずもがな、入院中というのはダイエットこそ出来ない(正しくはしない方が良い)ものの、バランスの取れた食生活・規則正しい睡眠時間等、超健康的生活を獲得することが出来る素晴らしい環境ではある。

とりあえずはこの入院生活を楽しもうと心に決め挑んだのだが、入院して程なくして一つの問題点が浮上する。

快適な生活

快適すぎるのである

入院が決まってからは、これから収監される罪人が如く【自由が奪われる】みたいな価値観で考えていたが、なんてことはない、こちとらお客様。しっかりともてなして頂いてしまったのである。

朝は病院併設のコンビニまでコーヒーを買いに行き、そこからは朝から晩まで韓国ドラマを観て、たまに病棟内をふらついてみたり、お風呂に入ったりして過ごし、食事は全て運んでくれるという、なんとも体感したことのない貴族的生活!!(貴族の生活を知らないが)

これが一過性のものであるという事が、快適であると感じることの出来る重要な要因の一つであることは間違いないものの、とにかく快適であった。

しかし、この生活を快適であると思う事が出来た事も、ダイエット生活等、従来の生活を見直し、獲得した生活習慣があってこそのものであることに後程気づく事になる。

満たされた食生活

ご覧の通りプロが作った、栄養バランスがよく考えられた完璧な食事である。私は主義の問題で肉が食べられないのだが、それを汲み取って頂いた上で見てもバラエティに富んでいる。

昼の麻婆豆腐は、肉の代わりに大豆が入っている凝りよう。

兎にも角にも素晴らしい食事にもありつけて満足なのだが、いろんな人に病院食の話をすると、多くの人達が

「まずい。」

「味が薄い。」

などという人がとても多く、私はなんと恵まれた病院に入院できたのかと幸せな気持ちになった。

初の入院である為比べる先がないのでなんとも言えないと思うのだが、以前の私も同じ事を思っていただろうかと思うと少しだけこの齟齬の謎に迫れる気がした。

ダイエットを行う前の私は、週に8回程ラーメンを食べに行く程のラーメン好きで、基本的には味の濃いものが好きで仕方ない人間であった。

その頃の私が病院食を食べたら、おそらくは味が薄く感じて、「まずい」と結論付けていたことも十分考えられる。

しかしダイエットをする上で食生活の是正は必須事項。

調味料の使用量も極端に制限する生活をしていたおかげで、味の薄いものでも、その旨味などを敏感に感じられるようになっていたのである。

この経験があったからこそ病院食を美味しく頂き、快適な入院生活を送ることが出来たのではなかろうか。

ラーメンを食べ漁っている時の生活はそれはそれで幸せであったし、「ラーメン通」というコンセプト自体が私のアイコンみたいなところがあったが、幸せであると共に健康的である現状の生活の方が浸かってしまえば楽である事に気づいた今は、実は以前の生活の方がコンセプトに縛られて生きていたともとれる。

とにかく、薄味に慣れておくと割と楽ですよというお話だ。

喫煙・飲酒習慣

ダイエットを行う上で様々な弊害となり得るものである。

ダイエットにおいての喫煙・飲酒の問題点や、その方法論に関してはまた別の機会に触れる事とするが(飲酒に関しては以前少し触れている)とにかく私は喫煙は辞め、飲酒も何か特別な事がない限りはしないようにしている。

タバコを止めることは正直私にとってダイエットよりもキツく、大変な決断であったが、禁煙外来に通い無事に止める事に成功している(現在禁煙して2年強程しか経っていない為まだ危険はあり得るが)

禁煙志向が強くなっていっている昨今では、病院は敷地内禁煙は当たり前で、基本的には入院中禁煙を強いられる事になる。

因みに警察署なども同様に吸えなくなっている為、留置場に入っている際などもタバコは吸えなくなる。(以前は署により異なる部分もあったが基本的には平日であれば制限付きで吸えた)

タバコを吸えないストレスで体を壊すという話をする方もいるが、タバコを吸わないストレスというのは、タバコを吸っているから発生するものであり、そもそも吸っていなければそこにストレスはあり得ないのだ。

タバコはストレスをわざわざ発生させ、それを解消するためにはタバコを吸うしかないという、極めてわかりやすい薬物依存のループを作り上げている。(アルコールも同様)

さて院内の話

私の入院している病棟に喫煙習慣のある人が入ってきたのだが、やはりタバコを吸えないかどうかを看護師さんにたずねていた。その気持ちは痛いほどわかる。当時の私も間違いなく聞いていた事であろう。

吸えないと告げられた瞬間の彼の悲痛なリアクションは非常に印象的であった。

喫煙習慣のない人にはわからないことかもしれないが、タバコを吸えない時間というのはほんとにきつい。鼻の頭が痒いのに掻いてはいけないと言われているような感覚とでも言おうか、とにかくキツイのである。

彼はきっと必死に耐えていた事であろうが、入院して翌日、どこかに出かけたかと思うと割と怒っている看護師さんに連れられて部屋へ戻ってきた。

そう、病院を抜け出し、近所のコンビニの前で喫煙をしているところを捕獲されたようだ。

意志が弱いなどと形容されてしまう出来事だが、病院を抜け出して院内着でコンビニまでいってタバコを吸うなんて逆に強い意志の元に行なわれている行為にも思える。

まぁそんな事どっちでもいいのだが、いずれにせよ尋常ではない異常行動である。

タバコはこんな異常行動を引き起こすほど毒性の強いものなのだ。私も辞めていなかったら、タバコのことで頭がいっぱいになり異常行動を起こしていたかもしれない。ほんとに辞めておいて良かった。

そしてタバコのかなり大きいデメリットの一つなのだが

麻酔・鎮痛剤が効き辛くなる

ということが証明されているようだ。

麻酔は33%、鎮痛剤は23%多く必要になるそうだ。

私は手術後、痛みで一晩眠れず、鎮痛剤も3時間おきに飲まないと立ち歩けない状態であった。

喫煙者の彼も同様に一晩唸り声が絶えず苦しい思いをしていたようだが、そんな状態でも看護師さんにタバコが吸えない辛さを語っていた。

凄まじい薬物である

結論

健康とは尊い。

そして健康的な生活を手に入れておくと、その後是正を求められる際や、有事の際には楽が出来る。

今がどうではなく、将来の展望の一つとして健康を意識して生きた方が何はともあれである。

月並みなこと言っていると思うだろうが、それは揺るがない事実すぎてみんな当たり前のことを叫んでいるのだ。

自身の力でやめられない事は全くもってカッコ悪いことではない。

もっともカッコ悪いのはそれを認められない事だ。

私は自力で、根性でできたことは何一つない。しかし、誰よりもその根性のなさを自覚していた為に、プロの力を頼ることが出来た。

止めるべきものは実は結構わかっていたりする。幸いな事にどんな事柄にもプロはいる。

健康なうちに頼れるものを頼っておこう。どの道、人間は最後には医療に頼ることになる。