日常

関係性の変わる友人

「お前変わったな。」

皮肉たっぷりにそう話しかけてくる人もいれば、全く触れて来ずに距離を取る人間もいる。

いずれにせよ、痩せただけで人間関係も少し変化した。

太っている事も個性と感じていた頃

私は太っている事を自覚し、ネタにした上で人付き合いをしてきた。

何かしら才能があり、自分に自信があればそんなことをせずに済んだのだが、やはり自分に自信はなかった。

自分を貶めることで人に慰められることも多く、そう立ち振る舞うことの方が圧倒的に楽で、傷つかなかったのだ。

振る舞いは自己責任であるから、関係性が変わったこと自体も半ば自分のせいである。

それ故に責めるつもりはないと言うことだけは記しておく。

痩せてから私は嬉しくて、プロのカメラマンに依頼し自身の写真を撮ってもらい、SNSにあげ、LINEのアイコンも変更した。

溢れ出るベンチャー企業感

この時点でおそらく私のことをうざいと思う人が多数派であったことであろうが、今まで、ラーメンや映画を偉そうに批評していた私とそう大差はないはずである。

好意的なコメントが欲しかった事は事実認めるが、私自身生まれて初めての努力であった事から多少舞い上がって然るべきであろう。

私からすればSNSに結婚しましたと報告する人とそう変わらないと思っていた。

しかし思ったよりも皆寛容ではなかった。

LINEのアイコンを変えた夜、随分と連絡をとっていなかった友人から

「痩せたね。70キロくらい?」

と連絡が来た。

私は必死に頑張ったが、その時の体重は76キロ。

ちなみにそのLINEを送ってきた彼は細身の体に程よく筋肉がついているイケメンで身長は私とほぼ同じ

彼は

「70キロ超えちゃったよー。俺まじデブだわ。」

と言っていた事を私はよく覚えており、体重の体重の相場がわからない訳ではない。(その体重をデブと表現するあたりは時代の産物か、そもそもその当時から彼の嫌味であったのかは正直よくわからない。)

つまり彼は確認をしに来たのである。

その上で

「あなたにはまだまだ敵いません」

と言わしめようとしてきたのである。

かつては毎日のように一緒にいた。

しかし私は、彼が私といると自身の価値を挙げられる為に一緒にいると言うことに薄々気づいていた。

仲の良い女の子が出来ると面白くなさそうにしている彼に気を使っていた時間は今思えば苦痛であった。

食事に行った際に、食べ物に気を遣っていると

「そんなのお前じゃないよ」

と注意してくる人間もいた。冗談のようなトーンではなくあくまで注意をしてくる人間である。

そういった人達といるととても疲れるのだが、今まで自分に自信がなかったせいか人間関係を形成出来るだけありがたいと関係性を大事にしてきた。

次第に疎遠になっていったが、そうでない人間も多数いることは間違いない。というか、殆どがそう変わりはしない。

少数派を捕まえて大袈裟にネガティブキャンペーンを行っているだけだ。

しかし、こういった転機に関係性を見直すと、今まで自分が無理をしてきた場面がよくわかる。

無理をしてでも付き合いを維持したい人もいるだろうが、なんでこんな人の為に無理をしているのだろう?と感じる人とは無理して付き合う必要はないのではないかと考え直すのも悪くない。

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